映画「帝一の國」感想

※はじめに
この記事は原作8巻まで読了済みの状態で観た<映画「帝一の國」>の感想です。映画のあと原作を最終巻まで読んだところ、映画の印象ががらりと変わりました。映画は落ちのつけ方がとてもきれいですし、結末へ向けての流れも(原作と比べて)ファンタジー過ぎずドラマチックで気に入りました。賛否両論あるとは思いますが、個人的には映画も推せます。もう1回観たいです。

 

帝一の國

ストーリー ★★★☆☆
キャラ再現度 ★★★★☆
満足度★★★★☆ 

『俳優好きでも何でもいい!気になってるなら軽い気持ちで観てしまえ!原作組はキービジュに納得できたら観るのおすすめ』

 

先日、下の記事で「『帝一の國』見るか見ないか問題」を書きましたが、はい、観て参りました。評判を見たところ案外悪くなかったのとやっぱり森園先輩のビジュアル再現度が良かったのが決め手です。観てきたら改めて感想を書くという宣言していたので、さらーっと感想をまとめようと思います。わりと興奮しているので、感情的です。とりあえず、まず一言。

 

森園先輩と光明くん完璧……

 

キャラクターの完成度の面ではこの2人が頭1つ抜けていたと思います。本っっ当にすごく良かった。この2人について詳しく語りたくてしかたないのですが、ひとまずキャラ語りは置いておいて、ストーリーの感想を。

※結末以外はけっこうがっつり話すのでネタバレは許さん!という人はここで引き返しましょ

 

一言でまとめると、「帝一の國」入門編としては良作だと思います。

「『帝一の國』って漫画気になってたんだけど、原作は読んだことないんだよね……」という人にはかなりおすすめです。むしろ原作に興味がない人でも楽しめると思います。

入門編としては良作、なのですが、ストーリーの完成度は冒頭で書いたとおり星3くらいに感じました。特に原作を読んでいる人はそう感じるのではないかなと思います。2時間にも満たない時間で、高校入学から帝一の生徒会選挙の投票までやるので、そもそも圧倒的に時間が足りない。入学→生徒総会→文化祭→帝一1年時の選挙戦→帝一2年時の選挙戦。この流れです。ざっくり説明、とかではなく本当にこの流れでした。(※ややうろ覚えなので違ったら許してほしい)時間が足りないせいでエピソードが削られまくる&時系列を変えて抱合せになることが多かったです。そこにあれいれないと人間ドラマに深み出ないじゃん!!!多発。

 

 

-------以下わりとがっつりネタバレ------- 

見たくない人は次の点線まで飛ばしてください

 

 

待って待って合宿は?氷室先輩と駒先輩との固い友情は!?氷室先輩の断髪式は!?氷室vs森園戦のあの盛り上がりが映画にするとこうなる!?

合宿がないせいで森園先輩の魅力がわかりづらく、大鷹とのつながりも弱い。映画だけ見ると氷室先輩が本当に嫌なやつみたいに見えるし、駒先輩も薄情な男に見えるのがつらかったです。この2人は!本当に!熱い友情で結ばれでるんでず!!!!(原作で泣いていた人間)まあ短い時間で対立をえがくわけですからわざと"悪"らしく演出してるのだとは思います。

そして最大の衝撃は、美美子を巡る帝一と大鷹の対立が!ない!!これです!!!これ重要じゃないですか?帝一と大鷹の対立の1番の原因って美美子じゃないですか。帝一が迷走する原因ってほとんど、美美子をとられるかも!という焦りからきてますよね。肝心の大鷹への嫉妬が描かれないと帝一の嫌なやつ度が上がってしまう……

帝一は計算高く策略家ですが、ただの嫌なやつとはまた違います。そこをもう少し表現してほしかったなと思います。

 

(ブログ筆者のひとりごと)
確かに性格的には大鷹がいいなぁと思いますし、真っ直ぐな信念がまぶしく、素直に惹かれます。だって大鷹くんジャンプの主人公みたいな子なんですもん。正義ですよ、正義。原作を読んでいる最中も、帝一を応援しつつ、生徒会長になるなら大鷹がいいなぁと思っていたくらいです。ただ(わたしの中の)1番は帝一です。政治はきれいごとで上手くいくほど甘くないと思っているので、帝一のようなやり方は逆に清々しく、応援したくなります。

そもそもこの話の魅力は、圧倒的主人公力をもった大鷹ではなく、策略家の"帝一"が主人公というところではないでしょうか。わたし自身が主人公タイプ好きじゃないですし。あとただ単に、金!権力!派閥ゥ!のどろどろ闘争が楽しいというのもありますね。

 

 

-------ネタバレ終了-------

 

とまあ余計なことまでいろいろ書きましたが、一緒に行った人(原作未読)に感想を聞いたところ「おもしろかった」と言ってくれたので、原作未読の方からすると普通に良い出来なのかもしれません。いろいろと削られてはいましたが、まあ2時間以内ならこれくらいかなぁと納得できるレベルですしね。ストーリーを中心に見ると批判的な意見を書きたくなるんですが、森園先輩と光明の完成度の高さもあり、許容範囲です。原作のギャグ部分はかなり上手く表現されていました。

映画が悪いというか原作がおもしろすぎるんですよねこれ。当たり前ですけど原作の方が1つの話に長い時間をかけられるため、話により厚みや説得力が出てくるのでおもしろさのレベルが違うんです。なので映画から原作に入る人はかなり幸せだと思います。映画以上におもしろいです。映画を観て気になったらぜひ原作も読んでみてくださいね。 

 

はい!ストーリーの感想は以上です。さあ待ちに待ったキャラ語り!

まず榊原光明。帝一の右腕、最高のパートナーですね。

ビジュアルでは「まあ合ってるな」くらいにしか思わなかったんですが、動いてしゃべるとすごい。志尊淳光明くん、ひたすらにすごいです。可愛い。正直森園先輩より完成度が高いと思ったくらいです。可愛い。しゃべると一気に魅力が増すタイプです。ビジュアルがそこまで心にヒットしなくても、実際にミュとか舞台を観てはまっちゃうのってこういうことなんだなと妙に納得しました。可愛い。声も振る舞いもイメージ通りでした。可愛いからぜひ映画館で見て欲しいにゃん。

 

次に森園先輩。海帝高校2年、将棋好きの知将です。自身の力(カリスマ性や魅力)で戦うのではなく、まわりの力もすべて使って盤面をひっくり返す、地味に見えてしっかり実力がある人です。

先日の記事でも書きましたが、わたしの推しは森園先輩です。そしてわたしは森園先輩のキャスト千葉雄大があまり好きではないのですがビジュアルがあまりにもイメージ通りすぎて、ポスターの時点で心の中で白旗でした。森園億人が過ぎる!!

そして本編を観て。あの、森園億人です。360度森園億人です。どの角度から見ても森園億人。好き……

動く森園億人の破壊力たるや。千葉雄大、どはまりしてました。完璧です。話し方も良かった。発言量は多くないものの、プライド高そうな雰囲気がよ~く出てました。あと「泣かせる気ですか」のシーンも完璧でした。この場面の所作、最高です。眼鏡押さえて表情隠すの素晴らしい。声色も素晴らしい。な、ななな、そんなのこっちが泣くわ!!!と言いたくなりました。パンフの写真も何から何まで森園億人。え~~もう、森園先輩好き。ストーリー的には森園先輩の魅力は出し切れていないのですが、完成度の高さで完全勝利です。

 

 

 

わたしは原作を8巻までしか読んでいなかった(理由は前の記事参照)ので、結末を知らなかったのですが、良かったです。帝一らしさがよく出た最後でした。今度原作も最終巻まで読みます。

気になった人はぜひ映画観てきてくださいね。それでは。